第十九回 自己アピールの効果的な仕方 その1 | ■就職活動塾 対等に戦うためのホンネの「良い就職活動」講座■

第十九回 自己アピールの効果的な仕方 その1

■書こうかどうか迷いましたが。
エントリーシートとか、自己アピールとかの書き方、面接でのアピールの仕方や企業から見られている観点って皆さん知りたいだろうなぁ、と思いつつ、割とためらって書いてきませんでした。
ちょっと時期的に旬をはずしたな、っていう以外にもちゃんとした理由があって書いてこなかったのですが、最近ブログでみなさんの自己PRを添削していて、「書いたほうがいいかな」と思うようになったので、今日はそれについて書きたいと思います。
ちょっと長くなりそうなので数回のシリーズで。

 

■珍しく前置きを。
今回の話をするにあたって、2点前置きがあります。
この前置きが、今まで書くのをためらわせていた理由です。

 

①完全な攻略法はない
 →「貴方を表現する」という自己PRですから、「オマエはこうだ!こうしろ!」なんて正解はありません。
だから攻略法もあるようでいて無いので、必ずしも「こうすると良い」と言い切れません。
なにせ10人いたら10人が違う人生を歩んでいるので、ちょっとしたアピールの仕方で宝石にも石ころにもなり得るのです。
だから、この話も「100%こうだ」というワケではないことを前置きしておきます。
ちょっと無責任なようだけど、これが書こうかどうか悩んだ一番の理由なのできちんとお伝えしておきます。


②エントリーシートは見られていないものも多数
 →ESってアレだけの企業が書かせているわりには、実はきちんと読んでいる企業は半分もありません。人事担当者に選考のレクチャーをするときはいつも「読まないんだったらESなんて書かせないこと」と言っているのですが、いまだに見もしないESを書かせる企業も多いことを知っておいてください。
もちろん、選考が進んでくると参考にする所も多いですが、報われないことが多いのも事実です。

この2点、心にとどめておいてください。

 

■自己アピールの仕方
まずは、割と断言できるところから行きましょう。

(1)「ありふれた言葉、ありふれたエピソードは意味ナシ」
誰もが使う言葉で、誰もが話す内容を一生懸命話しても、ほとんど意味がありません。面接担当者の耳には何もはいってきません。「心に届いていない」のです。結果、ニコニコ笑って落としてきます。
人と同じことを人と同じように語ってもダメだということを認識しておきましょう。

ただし、「人と違うエピソードでなければダメ」と言っているのではありません。
地球を一周した、とか学生時代に企業した、とかそんなスゴイ体験が無くても全く問題ありません。そんな人のほうが少数なので。
「人と同じ体験だったとしても貴方らしさをリアルに伝える」ことが重要なのです。大事なキーワードは「リアル」です。

(2)「リアル」とは
話が「リアル」になった時、はじめて貴方の個性や考え方、能力などが浮き彫りになります。
これは文章の上手い、下手を言っているのではありません。リアルに物事を伝えるには不可欠な要素があるのです。
それを順番に解説していきましょう。

 

■「リアルに伝える」ってどういうことでしょう?
いくつかの要素がありますので、順番に見ていきましょう。

A)事実を数字を交えて伝える
アタリマエですが、あなたのアピールは何かの事実に基づいているはずです。そうでないと、妄想になってしまうので。
でも、その内容って「具体的に」「数字も交えて」伝えているでしょうか?

例題を出しましょう。

Q.「学生時代に力をいれた事で自分をアピールしてください」

A.「私はテニスサークルを一生懸命にやった事が最も力をいれた事です。
最初は初心者同然だったのですが、負けるたびに悔しくて毎日一生懸命練習しました。
その結果、3年生の時には新人をトレーニングする役割を任されるまで信頼を得ることができました。
また、大会にも出場し、好成績を残すことができたので本当にやりきってよかったと思います。
自分では逆境に負けずにずっとがんばり続けたことがこの成果につながったんだと思っています。」

いかがでしょう?
ちょっと極端に書きましたが、こんなことを書きませんか?


では、試しにちょっと文章を変えて見ましょう。


「私はテニスサークルを一生懸命やった事が最も力をいれた事です。
最初は初心者同然で、同学年の部員は14人いたのですが、間違いなく下から1番目か2番目の腕だったと思います。
でも、負けるたびに悔しくて、練習できる日は練習する、と決めて年間300日以上は練習をしました。
その結果、3年生の時には21人の新人のトレーニング担当を任されるまで信頼を得ることができました。
また、1年生の時には出場さえ出来なかった大会にも出場し、学校対抗で参加者80人中23位になりました。決して優秀な成績とはいえませんが、精一杯がんばった証だと思います。
自分では逆境に負けずにずっとがんばり続けたことがこの成果につながったんだと思っています。」

いかがでしょう?
少し具体性がまして、リアリティが増えましたよね。
これは「規模感」「がんばり度合い」「真実性」が伝わっているからで、「どのくらいの規模なんだろう?」「どのくらいがんばったんだろう?」「本当かな?」という聞き手側がもつ疑問にあらかじめ答えている為です。

でも、これでもまだまだ途中。これだけではまだ貴方のよさは伝わりません。
明日は続きを書きましょう。ひとまずここで。