第十八回 面接で他社の進み具合を聞かれたら | ■就職活動塾 対等に戦うためのホンネの「良い就職活動」講座■

第十八回 面接で他社の進み具合を聞かれたら

■企業に他社の進み具合を聞かれると・・・
面接で「他にどこを受けてますか?」「どれくらい進んでますか?」と聞かれる事、ありますよね。
「○○業界とか・・・、○○業界を中心に受けています」
と受け答えていることと思います。
この質問、結構「何を聞かれているんだろう?」と思ってドキドキしたりしますよね。
あれが何を聞き出そうとしているのか、今日は簡単に解説を。

 

■何のために企業はそんな質問をするんだろう?
「その企業のライバル企業の名前を言ったら落とされるんじゃないか」
「どんな業界に興味があるのか、知りたいのでは」
前に数人の学生さんに聞いたときには、これが一番多い感想でした。

でも、実際問題、ライバル企業を受けているからと言って落とされることはありませんし(「どっちが第一希望なんだ」的なことは聞かれることもありますが)、業界志向などは、なにもここで聞く必要はありません。
もっと言えば、個別の企業名まで聞き出す必要はありません。

何故個別の会社の名前や具体的な進度まで聞きたがるのか、というと、企業側からしてみれば「自社のライバル業を受けていないか、また受けている場合、どこまで選考が進んでいるのか」を聞き出す必要があるからです。

 

簡単な話で、自分の会社のライバル企業が、同じようなタイプの学生をほしがっていたとしましょう。
そうなると、自分の会社とライバル企業は、同じ学生を奪い合う可能性があります。それだけに、自社を受けている学生が、ライバル企業を受けているのか、そしてそのライバル企業はどういう評価をしているのかが気になるのです。

 

じゃあ、聞き出してどうするのか?という話なのですが、一つは単純に他社の採用動向を探ります。ライバルが何次面接まで進めているのか、どんな採用活動をしているのか。
もう一つは、実際に学生がライバル企業も受けていた場合、選考する順番などの優先順位をあげて判断しようとします。

何故かというと、いざ内定を出すとなると、「先に内定を出した方が勝ちやすい」という傾向があるからです。
ライバル企業よりも早く内定だしが出来れば、その学生をより自社に引き留めやすくなりますし、イニシアチブが取れるのが企業にとってのメリットです。
なので、ライバル企業よりも、その学生については早く選考を進めようとします。

 

■実際に質問をされたら。
注意しなければならないのは、ライバル企業を受けていてそっちが進んでいたとしても、その情報を伝えることによって別に内定の確率が高くなる、とかそういうことでは無いことです。

ただし、逆に「余りライバルと奪い合いになっていない」「そんなに積極的に活動していない」ということがわかると、選考を後回しにされたり「キープ君」扱いをされたりするので、そういう意味では「意味のあることを伝え、意味のないことは伝えない」という心構えが必要になります。

 

具体的にいきましょう。
①ライバル企業を受けていて、かつその選考が在る程度進んでいるのならば、正直に伝える。
②ライバル企業を受けているが、その選考がまだたいして進んでいないのであれば、ライバルを受けていることを伝え、進度については曖昧なままにしておく。
(「これからなのですが、一気に進みそうな感じです、とか」)
③ライバル企業は受けていない場合は、進んでいる企業のみ話、「とりあえずエントリーしてある」くらいの企業についてはあまり積極的に話さない
④落ちた企業については、聞かれない限り自分から話す必要なし。とくに、ライバルを落ちたという情報は、企業に「ふーん、そのくらいの学生なんだ」と思わせることになってしまいます。

何も取り立てて隠したり、アピールしたり、という必要はないのですが、心構えとして上記のことを知っておけば、いざ本番で焦らずにすみますよね。

 

では、また明日。