第十一回 志望企業を絞りすぎるワナ | ■就職活動塾 対等に戦うためのホンネの「良い就職活動」講座■

第十一回 志望企業を絞りすぎるワナ

■会社、絞りすぎていませんか?
さて、今日は4月からいよいよ面接が本格化するにあたって、ちょっと注意しておきたいことを書きますね。

OB訪問をかねて学生さんとお会いしたときに、「どんな会社受けてるの?」って聞くと「マスコミ一本ですね」とか「広告代理店に絞っています」という学生さんが多いなぁ、と感じます。
何社くらい?と訊ねると「○○と●●など、5社くらいです」との回答。

やりたいことが明確で、それに向かった仕事を選んでいく、これは全く問題の無いステキなことなのですが、余りに絞りすぎていて「大丈夫かな?」と心配になる人が多いのも事実です。

ある調査によれば、就職活動をしている学生さんの1/3はマスコミを志望している、と出ています。
重複回答化なアンケートだったので、全員が第一志望、というわけではないですが、すごい偏りだなぁ、と思った記憶があります。

でも、当たり前だけど、全員が内定取れるわけではないんですよね。

■就職は恋愛。本命もあればキープもある。
私は就職を恋愛にたとえるのが好きなのですが、学生から見て本命の企業と抑えの企業があるように、企業にも本命の人とキープ君がいます。
一番上の図を見てください。

「自分がどれだけ好きか」と「自分がどれくらい好かれているか」を図にすると、こういう形になると思います。
①の相思相愛だったらなんの問題も無いんですが、通常の恋愛と同じく、多いのは②だったり③だったりしますよね。もちろん、本命の人を口説くのに人生を賭けて、ダメだったらそれでもいい!という生き方もあるでしょう。
でも、一生その人のことを思い続けて、「生涯一人でもいい!」と思っても、ちゃんと次の人が現れたり、次の出会いがあったりします。

恋愛の場合は、人生という長い過程において浮き沈みがあるからいいのですが、就職活動の場合、そうではありません。
決められた時間の中で、自分と会う人(企業)を探さなければならないのです。
その時に、本命だけを追い続けていると・・・。
相手にフラれ続けたときに、「次の候補がいない!」という状況になります。

企業も同じです。
だから、企業は③の「片思い」の人を口説くのに一生懸命になります。
キープ君は優先順位を下げます。自分が企業にとってキープ君である可能性を考えてみると、「それだけに絞ってていいのかな?」とちょっと思いませんか?

■興味の幅を広げることを心がけよう。
もちろん、だからといって興味ない企業にアプローチしよう、というのも(これまた恋愛と同じで)難しいと思います。限られた時間をそこに割くのも勿体無いというのもあるでしょう。

なので是非、今、自分が好きな業界・会社を「何故好きなのか」ということを考えてみてください。どうしてその業界、どうしてその会社に行きたいのか。
「興味本位なんだけどなぁ」でもかまいません。
少しでも理由があるんだったら、浅い理由だってOKです。
たとえば、「何か自分の思っていることを発信したくてマスコミに行きたいんだ」とか「人に影響を及ぼす仕事がしたいからマスコミに行きたいんだ」とか理由があったとしましょう。
じゃあ「他に自分の考えを発信できる仕事って?」「人に影響を与えられる仕事ってマスコミだけなんだっけ?」と考えてみましょう。
同じ人が2人と居ないように、同じ仕事も2つとありません。
だからこそ、「自分の興味を広げて、可能性を(あえて)感じてみる」事が大事だったりします。

恋愛だって同じ顔、同じ性格、同じ趣味の人は2人といません。
本命の幻影を他の人に追い求めている限り、どこまで「広げよう」と思っても広がるものではありません。
でも、「あぁ、どっちかというと和風の顔が好きだな」とか「サッカーが好きな自分の趣味を理解してくれる人がいいな」とか、少しづつ自分の趣味・志向を理解していけば、新しい人と出会ったときに「自分の趣味・志向との接点」が見つけやすくなります。

この時期、これから面接に入る時期だからこそ、万一を考えて次の企業探しを平行して行うのが大事になったりします。
忙しいのは大変よくわかっています。でも、ここが正念場になります。
あとで途方に暮れることの無いように、がんばっていきましょう!

ではまた。