第二十一回 自己アピールの効果的な仕方 その3
■まだ続くぞ、自己アピールの効果的なやりかた
さぁ、段々と架橋に迫ってきました。
昨日は「感情、感性、考え方、価値観を入れていく」ことをお話しました。
今日は3つ目の工夫、「具体的なエピソードを伝える」事について、お話したいと思います。
■「具体的なエピソード」とは
自己PR、自己アピールを文章で読んでいると、具体的なエピソードが無いことですごく軽薄な印象を受けるものを多数みかけます。
面接でも同様で、途中の話が省略されているあまり、真実味にかけるアピールになっていたりして、勿体無いなぁとよく思います。
昨日のエントリーで「感情や感性、考え方、価値観を入れる」と書きましたが、これを裏付けて、「なるほどー」と思わせるようなエピソードがないと、とても「軽い」感じがしてしまいますし、他の学生のPRの中に埋没したりします。
一言で言えば「採用担当者の記憶に残らない」ということです。
採用担当者は何百人という学生の自己PRを見たり聞いたりするので、その中に少しでも「記憶に残す」「印象に残す」事が大事になってきます。
誰もが経験していないような、スゴイ経験があればそれだけでも十分記憶に残るのですが、普通はそんなエピソードを持ってません。
あなたのパーソナリティを伝えつつも、「採用担当者の記憶に少しでも残す」方法、それが「具体的なエピソードを交える」ということです。
やり方は簡単、昨日までの内容で書いてみた文章について、さらに「その気持ち、その状態を表す最も象徴的な出来事を交える」ことです。
「悔しさ」「嬉しさ」「怒り」「悲しみ」「燃えた」などなど、いろいろな感情の起伏を昨日は入れましたが、それを表すエピソードがあればいいのです。
コツは「なるべく具体的にすること」です。
■実践編
では、早速昨日までと同じように、例題を使っていきましょう。
繰り返しになりますが、まだ「分量」については加味していません。いったん、書きたいだけ書くことにします。
昨日の例文)
「私はテニスサークルを一生懸命やった事が最も力をいれた事です。
最初は初心者同然で、同学年の部員は14人いたのですが、間違いなく下から1番目か2番目の腕だったと思います。
それでも、大学に入って何か新しいことにチャレンジしたい一心で、遊びではなくきちんと大会に向けて活動している今のサークルを選びました。
でも、現実は甘くなく連戦連敗。最初はそんなに悔しくなかったのですが、上達するにつれて悔しくて仕方なくなり、練習できる日は練習する、と決めて年間300日以上は練習をしました。自分でも驚いたのですが、悔しい思いをすればするほど「なんとかしてやろう」と思って頑張ることができました。
その結果、3年生の時には21人の新人のトレーニング担当を任されるまで信頼を得ることができました。
自分はただ一生懸命やっていただけなのに、それをきちんと見てくれている人がいて、すごく嬉しかったですし「一生懸命やれば、まわりにも良い影響を及ぼせるんだ」ということに気づきました。
また、1年生の時には出場さえ出来なかった大会にも出場し、学校対抗で参加者80人中23位になりました。決して優秀な成績とはいえませんが、自分なりに精一杯がんばった証なので、終わったときは達成感で胸が一杯でした。
自分では逆境に負けずに、ずっとがんばり続けたことがこの成果につながったんだと思っています。」
書き足した例文)
「私はテニスサークルを一生懸命やった事が最も力をいれた事です。
最初はサーブが全く入らないくらいの初心者で、同学年の部員は14人いたのですが、間違いなく下から1番目か2番目の腕だったと思います。
それでも、大学に入って何か新しいことにチャレンジしたい一心で、遊びではなくきちんと大会に向けて活動している今のサークルを選びました。
でも、現実は甘くなく連戦連敗。中学・高校と経験しているほかのメンバーには全く歯がたたず、毎日の練習の邪魔になっているんじゃないかとさえ思いました。
それでも最初はそんなに悔しくなかったのですが、上達するにつれて悔しくて仕方なくなり、練習できる日は練習する、と決めて年間300日以上は練習をしました。1年で5回は手のマメが潰れたと思います。
一方で自分でも驚いたのですが、悔しい思いをすればするほど「なんとかしてやろう」と思って頑張ることができました。
その結果、3年生の時には21人の新人のトレーニング担当を任されるまで信頼を得ることができました。
「一番練習してたのを知っている。練習が必要な人の気持ちがわかるお前に任せる」と当時の主将に言われたのがとても印象に残っています。
自分はただ一生懸命やっていただけなのに、それをきちんと見てくれている人がいて、すごく嬉しかったですし「一生懸命やれば、まわりにも良い影響を及ぼせるんだ」ということに気づきました。
また、1年生の時には出場さえ出来なかった大会にも出場し、学校対抗で参加者80人中23位になりました。
決して優秀な成績ではありませんが、「最初の頃は緊張で武者震いしていたのに」と思い返すと、自分なりに精一杯がんばったと思います。
試合が終わったときは達成感で胸が一杯でした。
自分では逆境に負けずに、ずっとがんばり続けたことがこの成果につながったんだと思っています。」
いかがでしょう?
もう少し具体的にこの人の人物像が見えてきたことと思います。
是非、あなたの感情を表すエピソードを交えることを意識してみてください。
いよいよ明日はこのシリーズの最終回、さいごのポイントとまとめに入りたいと思います。
ではでは。