第二回(前編) SPIを正しく理解し、立ち向かう方法 | ■就職活動塾 対等に戦うためのホンネの「良い就職活動」講座■

第二回(前編) SPIを正しく理解し、立ち向かう方法

■SPIを正しく理解する

さて、第二回目ということなんですが、今日のテーマは「SPI」。SPI対策本とかも出ているし、数社に対してエントリーしていれば、ほとんど必ずといってもいいくらいSPIが出てきます。それくらい一般化してますよね。

でも、実は皆さんが一口で「SPI」って呼んでいるものは、実は用途によってもっともっと細かく分解されているのです。
マークシートを使って紙を塗りつぶすものがすべて「SPI」ではありません。
この違いを理解して、「何をしようとしているのか」を把握することが対策を考える上でとても重要な事になるんです。

元々「SPI」とは、(株)リクルートが開発した商品(※現在はリクルートマネジメントソリューションズの商品)であり、「総合適性検査」の名で採用する企業に販売されています。
他にも日本SHL株式会社のGABをはじめとして、類似するものは多く存在するのですが、余りにSPIが普及したので一般的な総称が「SPI」になってしまったのです。

現在は、本家「SPI」すら存在しなくなって、「SPI2」という商品になっています。進化したんですね。

■SPIって何を見ているのか?

これ以降は一番普及しているSPI2を例にとって話をしてみましょう。(他もほぼ同じなので)

まず、SPI2って何を見ているんでしょう?
日本語にすると「性格検査」とか「適性検査」とか「能力検査」とか色々な呼ばれ方をしていますが、先にも書いた通り、「総合適性検査」というのがSPI2の役割です。
この「総合」という便利な言葉の中に具体的にどこまで含まれるかというと、
(1) 行動的側面  行動として表面にあらわれやすい特徴
(2) 意欲的側面  目標の高さや活動エネルギーの大きさの特徴
(3) 情緒的側面  行動にあらわれにくい気持ちの動きの基本的な特徴
(4) 能力的側面  選択した能力検査の得点と段階を表示
(5) 性格面の特徴 (1)~(3)の得点から読み取れる特徴と啓発ポイントを表示
(6) 職務適応性

という6つに分解されます。

これだけの事が読みとられているのです。
ということは、これだけの事を聞くのに同じ形式で質問してわかるワケがありません。だから、SPI2は設問パターンがいくつかあって、ページ毎にやらせることが違ったりするのです。

■そもそも何のために企業はSPIを使うの?

さて、ちょっと違う考え方をしてみましょう。「企業はなぜSPIを使うのか?」

「採用に使うからでしょ?」と言われれば「その通り」と言うしかないのですが、もう少し細かく考えていきましょう。
SPIをやるのは、一般的には数多くの学生が受ける会社です。数人しかエントリーされない企業は、面接で全員直接見た方が早いですからね。
それはイコール、「とてもじゃないが面接で全員には会えないので、先にSPIを使う」ということを示します。
すなわちSPIは「足切りツール」なんだ、ってことです。

でも、待ってください。先のSPI2の例で役割を見ると、能力みたいにバシッと足切りできるものって(4)の能力側面しかありません。
そうなんです、だからSPI2以外にも「主に能力を測定するテスト」みたいなものも別の商品として存在するんです。それは、たとえばリクルートマネジメントソリューションズ社の商品で言えばGATと呼ばれる似たようなテストです。
このGATは、ほぼ完全に足切りツールと言ってしまっても過言ではないでしょう。

ではSPI2は、というと、これは面接する際に採用担当者がそれを見ながら、一つ一つ確かめたり、人柄を把握したりするのに使うことが多いのです。だから、足切りツールとしては機能しづらくなります。
それはそうですよね、たとえば(1)の行動側面で積極性を見るんだって、積極的なのと慎重なのは、「どちらが絶対的にイイ」とは言えませんもんね。どっちにも一長一短があるので、こればかりは実際に会ってみないとなかなかわからない要素です。

ということは、一次テストでバシッと落とされたりしないようにするにはこの「能力測定」をいかにしてくぐり抜けるかが勝負になります。

ふう、ちょっと長くなりましたね。エントリーを分けましょう。
今から書きますので、とりあえずここまでの分をエントリー。
ここまでのまとめです。

●SPIにも色々種類がある。
●「性格」を把握するものと「能力」を把握するものがある
●「能力」は足切りに使われるから、「能力測定」をいかにくぐり抜けるかがポイント