第十三回 「志望動機」がうまく見つからない君に | ■就職活動塾 対等に戦うためのホンネの「良い就職活動」講座■

第十三回 「志望動機」がうまく見つからない君に

■志望動機が見あたらない
いよいよ面接が本番化するシーズンですが、色々なブログの中で「志望動機がどうしても固まらない。一応受けているだけだったりするからなぁ・・・」的な話が書いてあるのをちらほら見かけます。

エントリーシートでも志望動機が書けないと、とても時間がかかってしまったりして大変ですが、面接ではリアルタイムで話をしなければならないのでもっと大変です。
色々とその会社のことを調べてみて、興味がないわけでは無いんだけど、そんなに熱意をもってアピールできるほどの志望動機も無い・・・。
そんな状況、何社かはあるのではないでしょうか?

「このまま面接に行っても受からないし、気分も重い。別にそんなにこの会社には行きたくないのかもしれないなぁ・・・」なんて思って面接もキャンセル。
そんな事だってあるかもしれません。

でも、気に病む必要はありません。
すべての会社に対してそんなに立派な志望動機があるわけがないのです。

 

■志望動機は「熱意」ではない
前にお話しした内容の繰り返しになりますが、面接というのは貴方の熱意だけを見ている場ではありません。
もちろん、その企業に対する「入りたいと思う熱意」も指標の一つですが、それ以上に「貴方という人間がどういう人間か」を見極めるために面接をしているのです。

だから、必ずしも立派な志望動機と「何がなんでも入りたい」という気持ちが無ければ無いかというと、そんなこと無いのです。
ある中小企業の社長さんがと話していたときのことです。

「志望動機を聞くと、まるで第一志望がウチで、仕事とか会社にこんなに興味があるんだ、なんて事をアピールする学生がいるんだけど、アレ気持ち悪いんだよねぇ。ウチみたいな聞いたこともない会社がそんな1番手な訳ないのにねぇ。ムリしている感じがするし、ちょっと聞いていくとボロが出ちゃうんだよね」

もちろん、本当にその会社が第一志望って事もあるでしょう。
でも、ムリにつくった志望動機とか、それを元にした熱意とかはかえって逆効果、なのです。

 

■志望動機とは「共感の接点」
会社に対する「志望動機」とは、一言で言えば「自分の興味・価値観と会社の接点」のことだったりします。
簡単に言えば、「自分の興味・関心のある事、そしてその会社のどこにそれを見いだしたか」ということです。
自分がもし、ずっと音楽をやってきていたとするなら、きっと音楽業界などを志望するでしょう。そして、そこは志望動機が言えるはずです。
問題は、そうでなくてメーカーとか、興味あるんだけど一応、なんてエントリーしている所だと思います。
でも、音楽をやってきていて「自己表現する」事が好きなのだったら、それと会社の接点はあるはずで、金融でアナリストとして自分の分析を「表現する」ことだってあるかもしれませんし、コンサル営業として大きな企業の前でプレゼンテーションして「表現する」ことがあるかもしれません。

たいていの場合、「この会社にエントリーしておこうかな」と思う以上、何か小さくても関心やきっかけがあるはずで、それを「なんでかな?」と考えていくと、意外に上記のような事だったりします。

何も「なにがなんでもその会社」というわけでなかったとしても、自分なりに大事にしていること、やりがいを見つけられることと、その会社の接点を伝えること、これが「志望動機」になります。

「志望動機が思いつかない」という表現を見かけましたが、「思いつかない」のではなく、何かはあると思います。それを見つめ直してみましょう。
もし、仮に「安定してるからって理由だけなんだけどなぁ」という理由だけだったとしても、じゃあ安定しているならなんでもいいのか、って事になると、それも違うと思います。
その「違い」とかを明らかにしていくと、それが貴方の「志望動機」だったりします。

是非、「会社と自分の関心の共通点」を探してみて、志望動機を「醸造」していくヒントにしてみていただければと思います。

では、また。