第十六回 面接で「何か質問はありますか?」と聞かれて
■面接でよく出る「何か質問はありますか?」
さて、面接シーズンたけなわってことで、今日も面接ネタを一つ。
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることがあると思います。
なかなかドキッとしますよね、だってあれも選考かもしれないじゃないですか。
実際、あれって、選考だと思います?
それとも、単純に「質問があるなら回答してあげよう」という気持ちで言っているのだと思います?
■選考に加味している場合、していない場合
正直に言えば、両方のパターンがあるのですが、加味していない場合は面接を時間ギリギリまでやって、「他、何か質問があればお答えしますよ」くらいのノリで、ほとんど社交辞令的に聞いてくることが多いです。
この場合は、別に質問をしなくても、少なくとも悪印象を与えることはありません。
では、選考に加味している場合はどうか?
選考に加味している場合もあります。この時企業は「問題発見能力」と「課題設定能力」を見ています。
簡単に言えば「気になることを見つける力」とそれを「自分の興味に転換できる力」ということでしょうか。
この場合、だいたい最後に面接時間を4、5分残してニコニコしながら「だいたいお伺いしたいことは聞けました。逆に○○さんが気になっていることが有れば、ご質問いただければ」と言ってきます。
このケースは何らか選考に加味している可能性が高いです。そもそも、貴重な面接時間を割くわけですから。
この時面接担当者は質問を受けて回答してる時も、質問が無い場合も、決して面接中に選考評定表にメモ書きすることはありません。
あなたが退室してから、おもむろに評価を書き始めます。
■で、「質問はありますか?」
というわけで、これまでの面接を振り返ってみると「何か質問はありますか?」と聞かれて「いや、大丈夫です。」と答えている人も多いでしょう。
そして、たぶん遠慮している訳ではなく、ホントウに特に聞きたいことが無いのではないでしょうか?
逆に「何か質問しなきゃ」と焦ったあなたは「社内の風通しはどうですか?」といった社風面や、「福利厚生はどうなっていますか?」といった待遇面などに無難な質問をして、担当者から無難な回答を得ているのではないかと思います。
これは、いずれも「問題発見」と「課題設定」をしていないのが原因です。
気になるところが何もなければ知りたいこともないし、気になることがあったとしても、自分自身と関わりの薄いことを聞くと「会社案内に書いてあるような」無難な答えが返ってきます。
担当者が見たいのは、あなたという個人が「どんな事を気にして、その気にしたこととと自分自身との接点をどこに置くか」ということなのです。
自分がその企業の何かに興味をもったのだとすれば、その興味をもったポイントについて、絶対に何かわからない事があるはずなのです。
好きになった人のことはもっともっと知りたくなりますよね?
その女の子の趣味が「カラオケ」と知っていても、どんな音楽が好きなのか?いつもどこのカラオケに行くのか?どれくらいの頻度で行くのか?誰といくのか?
その男の子の趣味が「サッカー」と知っていても、試合には出るのか?いつ、どこで活動しているのか?どんな仲間とやっているのか?プロの試合は観に行かないのか?(誘えないのか?)
そして、わからない事を人ごととして捕らえるのではなく、自分との関わりを見つける。
自分の好きな曲と彼女の好きな曲の接点ってこんな所にあるなぁ。
サッカーはよくわからないけど、天気のいい日に外で身体を動かすのは気持ちいいよね、とか。
そうすると、自然と知りたいこと、聞きたいこと、自分との関わりが設定されるものです。
「僕はあなたのこんなところに興味をもったんだけど、あなたはどうしてそれが好きなの?」(恋愛で実際にそんな言い方したら完全にアウトですが。(笑))
もう少し具体的にたとえるなら、「私も外で身体を動かすのはすごく好きなんだけど、●●くんはサッカーのどんなとこが好きなの?」って感じかな?(これも実際ではアウトですね・・・。)
当然、そのためには有る程度調べなければいけません。
彼がサッカー好きで、自分がサッカーについて全然わからなかったら思わず勉強してしまったり、彼女が好きなアーティストのCDを買って聞いてしまったり。
偉そうに聞いてもダメですね、「教えてくれたまえ」ではなくて「よく知らないんだけど」ってスタンスでないと、さっきの恋愛のたとえでもダメになりますよね。
そして、最後、これも大事なのですが「明瞭かつ簡潔に」ということです。
質問しているクセにずっとしゃべり続けて、最後に「で、何が聞きたかったんだっけ?」って状態になるのは最悪です。
1回の質問で知りたいことは1つに絞る。自分の考え、気持ちを入れるのもワンポイントで。その詳細な解説には入らないこと。
選考対象にはなるかもしれないものの、あくまで「質問する場」であって「アピールする場」ではありません。
■まとめ
今日は長くなりました、そろそろまとめましょう。
「質問」一つとって、こんなに考えなきゃいけないのか、とウンザリするかもしれませんが、これは何も「質問」に限ったことではありません。
上記の事が出来ていると、志望動機や自分の考えを相手に伝えるときにとても役立ちます。「質問」はその一つの現れにすぎません。
一応、今回のお題「質問」についてのまとめは以下の通り。
①自分がその会社について興味をもったところを見つける
②そこをきちんと調べる
③気になったことを自分の問題意識、興味、関心につなげる
④質問は簡潔に。アピールする場ではなく、質問する場。
⑤聞くときは偉そうに聞かないこと。
今回は抽象的でわかりづらくなったので、明日オマケとして「実例集」をエントリーしたいと思います。
しばしお待ちを。